おもむろに動く植物

 なんとなく気分がすぐれなくて、ほとんど一日横たわっていました。軽い鬱状態のような感覚で、頭も体も動けませんでした。経験上、夕方くらいには活動しやすくなるだろうと思って、その通りになりました。

 

 動けなさを知らないひとに伝えることは難しいですが、普段の頭から生活を送るほとんどがなくなったような感覚です。ちょっと植物状態に近づいた感覚です。カーテンを開けようという発想が消え、お腹が空かずご飯を作ろうと思うこともなく、用事があっても忘れているか思い出しても義務感ばかり先走って体は一向に動かないかで、そういう意味で生活が頭から消えてしまうのです。尿意など差し迫った欲求だけ意識できて、そのほかのことは考えることもできない。スケジュールなどの都合で用事に対する義務感があればあるほど、動かない体との乖離感が激しくなり、苦しみが増してしまう。

 

 幸い今日はまったく用事がなかったため、ぼんやり横たわっていました。