社会の枠組みから外れるという枠組み

 ひとつの形が作られてしまえば、模倣や改造など追従するひとびとが現れ、けっきょくそれも一つのテンプレートになってしまう。自分らしくあろうとする人間は、いったいどれほどの共通項でくくれるだろう。真似をしないのは難しいから、それは当然とも言えるかもしれません。真似た事柄の組み合わせによって個性が演出される。こんなことを考えてしまうのは、僕がテンプレートからしか自他を評価できないからなのでしょう。

 

 映画「ハーモニー」を観ました。とても好きです。原作の雰囲気とすごく合っていて、原作も好きな僕にすぐ馴染みました。観ている間、原作を読んでいるときのような感覚が戻ってきて、そして読んだときのように「善とはなんだったんだ......」と思ってしまいました。また、意志の不在から自然人の話を思い出して、闘争状態の場合も幸福でいられるのかなとも考えます。人間の定義を意志とする考え方には肯定と同意を持ちますし、精神のほうが古いデバイスになる喩えも好きです。映像の話からだいぶ逸れてしまいましたが、ここまでにします。